アムリットサルってどんな街?おすすめの観光スポットと行き方をご紹介
インドの北、パキスタンとの国境の近くのパンジャブ州にアムリットサルという街はあります。日本でお馴染みの「ターバンを巻いたインド人」はシク教徒の人たちです。そして、ここアムリットサルはそのシク教の聖地です。ゴールデン・テンプルと呼ばれる寺院があり、そこには穏やかな時間が流れています。
シク教徒にはイギリスとの戦いに明け暮れた歴史があります。アムリットサルに訪れた際には、それに関する観光スポットや博物館にもぜひ足を運んでください。きっと平和について考えるきっかけとなるはずです。今回は黄金に輝く寺院のある聖地、アムリットサルのおすすめの観光スポットと行き方を紹介します。
アムリットサルへの行き方
同じ北インドにあるデリーからアムリットサルへは列車で6~7時間ほどで行くことができます。ちなみに、デリーからアムリットサルへのバスは8時間くらいかかります。飛行機だと所要時間は1時間半程です。
アムリットサルから比較的に近いチャンディーガルからバスに乗ると4時間程で着きます。シムラーからバスで行く場合にはチャンディーガルまで3時間程バスで行き、そこからバスを乗り換えます。他には、ダライ・ラマの住んでいるダラムシャーラーという街からもバスで5時間半の距離にあります。
スポンサードサーチ
アムリットサルの観光に必要な日数について
アムリットサルの2大観光スポットはゴールデン・テンプルとインド・パキスタン国境です。この2ヶ所は少し離れているので1日でまわるのは少々ハードです。だから、少なくとも2日は滞在する必要があります。
ゴールデン・テンプルは急いで観光するにはもったいない場所です。本堂にはいるために長時間並ぶ可能性もあります。またく、寺院内の博物館に加えて、近隣にも2つの博物館があるので、それらを観るためにも3日らいは欲しいところです。
アムリットサル内での移動手段について
アムリットサルの観光スポットは、国境を除けばゴールデン・テンプルの徒歩圏内にあります。マハラジャ・ランジット・シン博物館やゴビンド・ガー要塞は少し遠いのでリキシャーを利用するといいでしょう。アムリットサルではオートリキシャだけでなく、サイクルリキシャーという自転車版のリキシャーも走っています。
国境へはゴールデン・テンプル周辺から乗り合いジープが利用できます。ジープだと個人でオートリキシャを雇うよりもずっと安く行くことが出来るのでおすすめです。
スポンサードサーチ
ゴールデン・テンプル
営業時間・定休日 | 2:30~22:00 年中無休 |
アクセス | アムリットサル・ジャンクション駅よりオートリキシャで10分 |
入場料金 | 無料 |
所用時間 | 2時間~ |
ゴールデン・テンプルの正式名称をハリ・マンディルといいます。ここはシク教の聖地であり、寺院には色とりどりのターバンを巻き、ひげを生やした人で溢れています。
寺院の中央の池では沐浴をする人々がみかけられ、その側では楽器の演奏や歌の合唱をしている人々もいます。池の周りの回廊では床に座ってシク教の聖典を読んでいる人や、家族でお祈りをしている人々がいます。かと思うと、急に掃除が始まったり。掃除は寺院にいる全ての人がボランティアで参加します。これは奉仕を大事な教義として掲げるシク教徒ならではです。
また、寺院内にはシク教徒の宿舎に隣接して、海外からの旅行者が無料で泊まれるドミトリーがあります。そこまで広くないのでベットが空いていない時には泊まれませんが、著者が行った際にも3組の日本人の人たちを含めて、様々な人が泊まっていました。寺院には無料で食事の出来る場所があります。土足は禁止です。また、寺院に入る際には頭にバンダナなどを着けて入りましょう。
ジャリヤーンワーラー庭園
営業時間・定休日 | 6:30~19:30 年中無休 |
アクセス | ゴールデン・テンプルから徒歩5分 |
入場料金 | 無料 |
所用時間 | 1時間 |
ゴールデン・テンプルを出て、土産物のお店の並ぶ繁華な通りを少し歩いていくと、ジャリヤーンワーラー庭園があります。
ここは1919年に起こった悲しい事件の現場です。当時、イギリス支配が続いていたインドにはひどい法律がたくさんあり、それへ抗議するためにシク教徒がこの庭園に集まりました。そして、集会を開くことも禁止されていたので、イギリス憲兵に率いられた兵による攻撃があり、たくさんのシク教徒が犠牲になりました。
庭園には当時の銃弾によって穴の開いた壁や、パニックになった人々が殺到したとされる井戸が残されています。また、慰霊碑と資料館もあり忘れてはならない歴史を確認するために毎日たくさんの人が訪れています。そして現在、この庭園の芝生ではたくさんの人がくつろいでいます。ここは平和の大切さを実感できる観光スポットです。
スポンサードサーチ
アターリー・ワガ国境
セレモニー開催時間 | 17:00~17::30(冬季) 18:00~18:30(夏季) |
アクセス | アムリットサルから乗り合いジープで約1時間 |
入場料金 | 無料 |
所用時間 | 1時間 |
アターリー・ワガ国境では毎日決まった時間に、インドとパキスタンによる合同のセレモニーが催されています。ここはインド人の愛国心が垣間見られる場所です。国旗を持っている人、顔に国旗のペイントをしている人たちが盛り上がっています。セレモニーの時間はそこまで長くありませんが、ぜひ行ってみてください。きっと貴重な体験となるはずです。
注意点としては、警備が厳重で国境に行くまでに入口での身体検査があることです。パスポートは必ず持っていきましょう。また、乗り合いジープで行く際には、往復料金を請求されますが、帰りに数あるジープのなかから同じジープを見つけることは不可能に近いので、片道料金で行ってくれるように交渉することをおすすめします。
ゴビンド・ガー要塞
営業時間・定休日 | 10:00~22:00 月曜、祝日は定休 |
アクセス | ゴールデン・テンプルからオートリキシャで10分 |
入場料金 | 150~649ルピー(コースによる) |
所用時間 | 1~2時間 |
ゴビンド・ガー要塞は要塞跡を利用したテーマパークのようになっています。7Dシアターや武器の博物館があり、ラクダに乗ったり、ちょっとしたショーが行われており、子供を連れた家族が多く来ていました。
7Dシアターでは要塞の歴史について学ぶことができます。水や風が出てきたり、椅子が揺れたりと、思っていたよりも本格的で驚きました。また、広場には売店があり軽食も食べることができます。時間に余裕があれば寄ってみてください。
スポンサードサーチ
分離博物館
営業時間・定休日 | 10:00~18:00 月曜、祝日は定休 |
アクセス | ゴールデン・テンプルから徒歩7分 |
入場料金 | 250ルピー |
所用時間 | 1~2時間 |
分離博物館では、映像や写真、展示物によってインドとパキスタンが分離された経緯や、その過程で起きた混乱について詳しく知ることが出来ます。インドとパキスタンの分離にもイギリスが絡んでおり、こちらもまた植民地時代の歴史と関連しています。
ゴールデン・テンプルからも近いので、ぜひ足を運んでみて欲しい観光です。館内には英語での説明も書かれています。なお、館内での写真撮影は禁止されていますので注意してください。
マハラジャ・ランジット・シン博物館
営業時間・定休日 | 10:00~17:00 月曜定休 |
アクセス | ゴールデン・テンプルからオートリキシャで15分 |
入場料金 | 40ルピー |
所用時間 | 2~3時間 |
マハラジャ・ランジット・シンは1801年から1839年にかけてこの地を治めていた王様です。「パンジャーブの虎」という異名を持ち、毅然としてイギリスの植民地支配に抵抗した英雄でした。ここはそんな彼を称え、その功績を後世に伝える博物館です。写真だけでなく、人形を使った大がかりな展示によって当時の戦場の様子を知ることができます。
また、武器や美術品の展示もあり、十分に楽しめる観光スポットです。分離博物館に比べると来場者が少なく、ゆっくりと見て回ることができるのでおすすめです。ちなみに、館内では自由に写真撮影ができます。
まとめ
インドはヒンドゥー教徒が多数を占める国です。そして、彼らにはカーストの身分制度が厳然として存在します。しかし、シク教は身分制度を否定する宗教です。寺院の入口が四方にあることもそれを表しています。そうやって平和な世の中を祈ってきたシク教ですが、彼らの歴史にはイギリスやヒンドゥー教徒、イスラム教徒との戦いがありました。ゴールデン・テンプルの敷地内にある博物館では、当時の戦いを描いた絵画が飾られています。
また、ゴールデン・テンプルの隣には大きなスクリーンを使った映像によってシク教の始まりなどの歴史を学べる施設もあります。英語でのナレーションも聴くことができるので、ぜひ足を運んでみてください。宗教という視点からインドの多様性を知るためにも、シク教の聖地であるアムリットサルはおすすめです。